かえでのまど

英語関連のフリーランスをしながらの日々をつづります

伊坂 幸太郎作品の「名言 」(好きなフレーズ)『魔王』より

『魔王』から、心に残ることば。

『魔王』ではずせないのがこのことば。「考えろ考えろマクガイバー」

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

 

 

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。

 

(「BOOK」データベースより) 

 

 「マクガイバー」が出てくる主なシーン

俺は、考察することが好きだった。好き、というよりも、生きることは考察することだ、と大袈裟に言えば信じてもいる。「昔、子供の時に観たテレビドラマで『マクガイバー』っていうアメリカのやつがあったんだ」

「安藤にもそういう時代があったわけか」

「『冒険野郎マクガイバー』だ。マクガイバーはさ、身近な物を武器にして戦うんだよ。まあ、工夫が得意なんだな。で、その主人公がよく困難にぶつかると、自分に言うんだ」

「何て」

「『考えろ考えろ』ってさ。よし、考えろマクガイバー。自分に言い聞かせるわけだ。」

「妙に内省的な冒険野郎だな、そいつ」

「粗筋はまったく覚えていないのに、あの、主人公の台詞はよく思い出すんだ。考えろ考えろ」

「それで思い出した。学生の時によ、安藤は考察好きの考察魔だ、ってクラスの女に言ったんだよ。そうしたら、絞め殺すほうの絞殺だと思われたみたいでさ」

「あ」俺はそこで頓狂な声を上げてしまった。右を向いて、まじまじと島の顔を見た。「それでか」

(単行本p11)

 

根拠はわからないが俺は、運転席の父も助手席の母も生きていないと決め付けていた。気を失ってだらしなく目を瞑っている潤也を抱えながら、考えろ考えろ、と思っていた。考えろマクガイバー。そうか、あの時はすでにあのテレビドラマを観ていたんだな。考えろ考えろ。

(単行本p29)

 

考えろ考えろマクガイバー。もし相手が危険な人物であった場合は、目の前のしょうゆの瓶が武器になるだろうか、とどうでもいい対策まで練った。

(単行本p48)

 

子供の頃から潤也は、「ごきぶり」という名称が嫌いで、もちろんあの虫自体も毛嫌いしていたが、とにかく、「ごきげんようおひさしぶり」と回りくどい呼び方を選んだ。最初と最後の文字を繋げると「ごきぶり」となるわけだ。

「あれは興味深いよ。おぞましいけどさ、興味深い生き物だ。」

「そうか?」

「あの虫がどうしてあんなに人に嫌悪されるのか、兄貴はわかるか?」

「さあ」

「そういうのを考えればいいんだよ、マクガイバー。そのほうがよっぽど、身近で、現実的だ。」

下らない話題だ、と思いつつも、潤也が、俺の気を紛らわせるためにそう言ってくれているのだとは分かる。

(単行本p98)

  

近年制作された『マクガイバー』

かつて日本でも放送されていた『冒険野郎マクガイバー』のリブート。少なくともhuluで観ることができるので試してみてはいかがでしょうか。私は3話くらい観ました。

「リブート」とは、ウィキペディアによると、"フィクション作品において、シリーズにおける連続性を捨て、新たに一から仕切り直すことを意味する用語"とのこと。

"シリーズにとって核となる要素とコンセプトを整理することで、あらゆる「不可欠でない要素」を取り除くことを可能にし、シリーズをやり直す手法である。リブート作品は、シリーズの初期タイトルをあまり知らない消費者にも簡単に触れることができる。"とあります。

リブート前のファンにとっては、リブート版のマクガイバーは、若くてセクシーでスタイリッシュでなんともかんとも…。

マクガイバー シーズン1(トク選BOX)(11枚組) [DVD]

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伊坂幸太郎や私世代のマクガイバー

 リチャード・ディーン・アンダーソン演じるマックが最高です。『魔王』を読んだ時、「伊坂幸太郎も観ていたのね」と嬉しかった思い出があります。

冒険野郎マクガイバー シーズン1<トク選BOX> [DVD]

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「安藤さん」

「アンダーソン」

深夜の帰り道、誰もいないと思って、歌を口ずさみながら自転車を押していたところ、アンダーソンが立っていて、俺はひどく驚いた。

(単行本p64)

マクガイバーを演じるリチャード・ ディーン・アンダーソンと同じアンダーソンという名前の人が出てきます。主人公も「安藤」さん。偶然なのでしょうか。

マクガイバーってこんな人 

ピストルのドンパチではなく、アーミー・ナイフや紐とかテープなどを使うことが多いです。たまたま持っていたものやその場にあるものだけで危機を逃れ敵をやっつけてしまうというのがおもしろいです。印象に残っているのは私の場合チョコレート です。爆弾の処理に使っていたように記憶しています。

 

世界中の悪と戦う「フェニックス財団」のトップエージェントであるマクガイバー。彼の最大の特技は陥った危機を手近な材料と豊富な科学知識の応用で切り抜け、数々の事件を解決する。マクガイバーが劇中使用していたスイス・アーミーナイフは本作で人気となり、日本では一躍ヒット商品となった。

(ウィキペディア 冒険野郎マクガイバーの項目より)

 

当時スイス・アーミーナイフが流行った記憶はないのですが、大人になってから購入しました。キャンプで使うかなと思ってのことですが、マクガイバーの影響は拭い去れません。 

VICTORINOX(ビクトリノックス) スーパーティンカー 保証書付 1.4703 (旧名称:トラベラーPD)【日本正規品】 14703

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↑これと一緒ですが、今のところ活躍していません。ナイフとハサミは便利な気がします。これをさらっと使えるマックのような人になりたい…。

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マクガイバーのはなしが多くなってしまいました。

本書に収録されている、潤也と詩織が主人公の「呼吸」、けっこう好きです。